『四年前の樫』 |
明日は忘れていたものを探す日だと勝手に決めました。 一日で見つかるわけがない、とか。いったい何を探すのか、とか。 そういうことはさておき。 まずは、瓶に詰めたと言っていた君の声から探してみます。何かの手がかりになるかもしれないので。 四年前の樫の木の根元にあると聞いていたのだけれど、生憎樫の木はこの庭に12本ばかりあるので、9月からかき分けてみることにしましょうか。 あとは、プラスチックのスコップを買ってきて、瓶を傷付けないよう慎重に。誤って傷つけてしまったらきっと、君の声は怒声になって、どこかへ飛んで行ってしまうからね。 |
05.11.23 |