遠い背中が熱気と引き替えに出ていった
隙間から見えた空は高くて
高すぎて私にはかすんで見えて
手を伸ばしてもそこに
つかめるものはなにもなかった


どこまで行けるだろう
傷ついた足で
どこまで行くんだろう
振り返りながら


折り重なる悲しみが
胸の中でうずくから
何度も引き戻される
こらえていたものが
溢れて止められない


消えていくのなら最初から
何もいらないの
何もいらない
手に入れてしまえば怖くなるから
何もいらないの
何もいらない


失いたくないと泣きながら壊した玩具
あの日から歪み始めたのなら
ここから変われるのかしら?


失いたくないと泣きながら叫んだ声が
あなたの耳に届いていたのなら
今でもここにいたかしら?




07.6.29