憂鬱が脳を突き抜けて
七色の棒状になって飛んでった


声の裏側を覗きこみ
聞こえないふりを決め込んだ
夏のにおいの西の空
君の手のひら真っ赤っか


笑い声の右側の
肌触りを確かめて
探るようにたどり着いた
洞窟の隅にうずくまる


鼻の奥に滞る
冬の思い出のにおい
すりむいたばかりの膝小僧
にじみでてくる命の気配


忘れた頃にやってきた
未来と過去の道しるべ
閉じた鍵を飲み込んで
安らぎを永久にしまいこむ


憂鬱が脳を突き抜けて
七色の棒状になって飛んでった
憂鬱が脳を突き抜けて
七色の棒状になって飛んでった




07.5.4