消えてしまえと蔑んだ声が蘇る夜
うずくまっても寝息が聞こえる 一人になりたい 独りになりたくない するすると絹が滑るように 換気扇から抜けていく煙のように 揺れながら落ちていく羽のように ぶつかりながらつかえながら 冷めていく束の間の熱 掠れた声の隙間に さようならの影を潜ませてみる 撫でられた背中がはりつく 暑くて仕方がないのどうして 一人になりたい 独りになりたくない ガラスを伝う雫のように 風にそよぐ蜘蛛の巣のように 昇っては沈む太陽のように 自由に見えて不自由に 縛り付けられていく 乱れた呼吸の裏に さようならの影が潜んでる |
06.12.29 |