それから何気なく 振り返る
透明なようでもやの中
人影はあるが息はあるのか
遠く 歪んで見えるのは
すれ違いざま 走る様
ひどく落ち着かない夕暮れ時の
甘いにおいと 風の向きから
君の行方と 僕の道
咲き誇る 柔らかい花弁の
下にある 棘をつかんで
あの時の君は笑ったのだから
もう それでいいじゃないか
もう すべて終わったことさ




06.11.2