手首を伝う雫
腐りかけ果物
爛れた記憶
爪を研ぐ夜な夜な
泣きながら笑う
放っておけば離れる
滲んで歪む思考
どこへ行くのかなんて
知ろうともしない
流されるように
押し出されるように
空を見ながら
その胸に
髪が揺れる
溢れてくる
拭って
通り雨みたい
おかしいのかな
首筋に
突き立てても
いいかな
06.10.16