通りかかった
思い出の場所、と言っていいものか。
風通しの悪い一階。
壁の薄いアパート。
泣いた。
笑った。
怒った。
やっぱり笑った。
懐かしさは微塵も。
淡い色も見あたらない。
白紙というよりアクリル板。
どうでもいいこと。
いつの間にか処理。
記憶なんて
砂時計サラサラ
咲いた花バラバラ
手を振ったサヨナラ
そこにはいないあなたへ。
06.5.25