うつつ
吹き抜ける風の色が
闇のように 見えるわけじゃない
沈黙が 押し寄せるその瞬間を
命の気配すら感じられない場所で迎える
静寂のまっただ中 僕の中 甦る過ち
同じ ことは 繰り返せないと
繰り返すたびに思うのだが
穏やかな気持ちとは 裏腹に鋭利な記憶
時計の針が
朝を刻む その不安から逃れるための
儀式のような 夢のような




05.12.29