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  七番目の冬
あの日あの場所であの直後
秒針は刻みはじめたのです
笑顔と無理強いを繰り返し
毒を吐き出して抱きしめて
後悔と嫌悪感に溺れ
結末と向き合わないために鍵を閉め
樫の木の下に埋めた記憶が
飛び出してきたのではなく
忘れていたはずの息吹がまた
気づいてはいたのだけれど
見ないふりを決め込んでいたのです
装って壊して差し出した嘘のように
下降する夕暮れのもとで
思考する永遠の課題は
今更だと笑い飛ばされるのでしょう
あの言葉あなたの仕草
説得力のない声にのってやってきた
いたわりの台詞がこの胸に
しみこんでくるわけを
私はすでに知っているのです
理解しがたいと
思い込んでいるだけなのです
葉を落としてから四年がたち
常に木枯らしが吹き荒れる中
寒さになれてしまった私の背中を
あなたには決して気づかれまいと
この新しい芽が
萌葱色の葉に姿を変え
梢が狂ったように空へ
手を伸ばしても私は
目を伏せて強かに
再び冬を迎えるための
支度をはじめるのです




05.12.15