公園
会話もなく動作もなく並んで静かに
風に吹かれ髪がわずかに後ずさり
静寂に息を飲んで再び
雑音と蜃気楼
揺れながら沈む太陽と消える命のように
たびたび聞こえる歓声を
横切る影の横
焚き火と夕日と煙草
むこうがわに見える晩年の思い
北をさす滑走路の先の景色
西の空にかかる雲を掴んで
東に影を作る光を指差しながら
南へ背を向ける
背徳とはつまりそういうことねと
疲れた顔でふたり
さようならの準備は昨晩の内に
溜息と沈黙とタイミング
背中を押す手は外からのびてきて
適当な説教をして満足して消えた
ありがとうと言われてもしっくりこない翌朝
その後に残るのは虚無感と嫌悪だろうか




05.11.13