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  霧雨
音を立てて微かに
霧状になってトタンを伝う静かに
まとまった雨粒が泥を作ってまさに
歌い出すの
閉ざされたのは妄想
解き放ったのは罪悪
誰も見てないから
誰にも聞こえないから
布団に潜って
スイッチを入れたのに
何処へも行けそうにない
もう朝だけれど
眠れないの
歌が聞こえる
カタカタとそれを打つ指先で
脳髄にある血豆を潰して欲しい
高ぶる気持ち
火照る頬に氷を当てて
もう、殴らないで
黒い首輪を外せない
臆病な迷い猫は
飼い主を失った事に気づかずに
家の周りを彷徨って
一定の距離を保ちながら
助けを求めてくれる
細い声で囁く
愛なんていらないから
何か食わせろ
蛇口を捻れば水が出て
ボタンを押せば火も点くし
ドアを開ければ食べ物があって
スイッチを押せば電気がつく
無駄に広い庭があって
自転車で行ける距離にお店があって
胸に手を当てれば鼓動
メールを送れば応えてくれて
布団の中に愛しい毛玉がいて
外に心惹く毛玉もいて
枕元には薬もある
必要なものはあるはずなのに
欲しいものがなくならない
穴を掘れば
出てくる気がするのだけど
雨が止まないから
何も出来ない
する事がない
桜の根っこが突き破る
粘膜から雫が落ちて
体の真ん中あたりから出てくる
集中力散漫
神出鬼没な傲慢
夢見るだけが浪漫
犯せるものならやってみろ
赤い首輪なら飼われてやってもいい
愛なんていらないから
あんた食わせろ
雨が止むまで
足に口づけてやるから




05.10.29