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  真夜中
近所の犬が 吠えるんだ
触発されて大合唱
雄々しくけたたましい
色彩音痴のテノール響く
気味が悪いから電気を点け
窓に手を当てこっそり覗く
誰も 何も いないじゃないか
誰も 何も してないじゃないか
部屋に 戻れば愛しい毛玉
犬達はまだ 吠えている
誰を 何を 威嚇してるんだ
誰を 何を 呼んで いるんだ
煙草に火をつけ廊下を歩く
野良猫が出口求めてる
悲し そうに鳴かないでくれ
ちゃんと 出してあげるから
ちゃんと 餌もあげるから
冷た すぎるジッポーを
額に乗せてため息をつき
残りの煙草に思い馳せる
どこかで誰かがクラクション鳴らし
どこかで誰かがドアを閉め
どこかで誰かがバイクをふかす
私がこうして いる間にも
どこかの誰かが息をして
どこかの誰かが息を止める
最後の一本に 火をつけて
つなぎを着て 靴を履いて
仕方ないから 煙草を買いに
冬の匂いが 肺を満たす
空が綺麗な季節だから
月の 輪郭が胸を刺す
ここに生まれてよかったと
思えるんだ こんな夜なら
どこかで誰かが目を覚まし
どこかで誰かがキスをして
どこかで誰かが目を閉じる
私がこうして いる間にも
どこかの誰かが眠りに ついて
どこかの誰かが朝を迎えられない
おとなしくなった犬は眠るのか
夜行性だが 昼に活動
夜明けまで 起きて いようか
夜が 明けるまで 眠ろうか
何をしたってニュースにならない
ニュースになるような 事もできない
もちろんこのまま死んだって
何も かも 残らないんだ
何も かも 残せないんだ
誰かが物思いに耽る夜
誰かが明日のために 眠る夜
私は適当に 考える
私は適度に 考えている
答えを見つけるためじゃなくて
結果を求めてる わけでもない
とりあえず 生まれてきたから
仕方なく 生きて いるのか
どうしようも なくなって
買いたての煙草に 手を伸ばし
冷えたジッポーで火をつける
どこかで誰かが咳をして
どこかで誰かがアクセルを踏み
どこかで誰かがお茶を濁す
私がこうして いる間にも
どこかの誰かが階段を下り
どこかの誰かが家を出る
きっと このまま朝が来て
空気になれない昼が来て
そして また 夜が来る
結局ずっと繰り返す
それが 今夜の答えだから
もう眠りを奪わないでくれ
もう気分にも余裕がない




05.10.24