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  夏の終わり
葉の揺れる音がして
焦燥という衝動に駆られて
雲を追いかけて走ってみたけれど
太陽は奈落へ行こうとしているし
鉤裂きのような月がやってくる


夜になる前にはやく何処かへ
消えてもいいような錯覚
一瞬の風の色に惑わされて
青い空気に溺れてしまう前に


相変わらず其処ははてしなく
僕はまるで灼熱に押し黙る
雌の蝉
手の中で羽が震えた


熱帯夜はもう来ないからと
もういらないからと
そっと花の香りを感じて
夏は終わるのだと呟く君の
小さな耳たぶに手を伸ばして
ぶら下がるピアスにさよなら


もう帰らない僕を
待たなくていいから


葉の揺れる音がして
焦燥という衝動に駆られて
太陽は奈落へ行こうとしているし
鉤裂きのような月がやってくる


夜になる前に遠くかなたへ
消えてもいいような錯覚
一瞬の風の色に惑わされて
青い空気に溺れてしまう前に




05.9.23