大きな泡と小さな泡が
横顔を通り過ぎる
まるで最期みたいに
穏やかな水流
白いシャツと黒い髪が絡まって
もがいていたはずの手足も自由を失って
水の壁が重い色に変わっていく
どうしてだろう
苦しくないのは
どうしてだろう
怖くないのは
深い青
白いシャツと黒い髪が絡まって
爪先から徐々に力が抜けてゆく
05.9.16