帰りたい場所が見つからないと君が泣いたから
僕はこの腕を精一杯伸ばして微笑んだ
何も伝わらなくたっていい
この胸が君の戻る場所なのだと
いつか思い出してくれればそれでいい


しばらく会わないうちに君は大人になって
しばらく会わないうちに僕はオトナになった


時々風の中に君を感じる時がある
どこかで元気にやってるんだろうと
それでいいんだと
雨にうたれながら彷徨う犬みたいだった君が
もうこの世に存在しないのなら


何も伝えられなかった
言葉にするのはとても難しくて
僕はこの腕を広げて
ここが君の帰る場所だったのだと
いつか思い出してくれればそれでいい


しばらく会わないうちに君は大人になって
しばらく会わないうちに僕はオトナになった




05.6.25