横たわりながらずっと死を夢見ていた


死とは消える事で
死では痕跡は消えない
それどころか輪郭は濃く
鮮やかに焼きついてしまう


死を夢見ながら痕跡を消したかった


私なんかと
私なんかと叫んだ


誰にも届かなくてよかった
届かなくてよかった


白い錠剤を口に運びながら
忍び寄る足音に怯えた


生きよう
誰かが言った


この手足をもがれても
この脳味噌が打ち砕かれても
この臓物が引き裂かれても
私の輪郭が生き続けるならば
死ぬまで生きる
何も残らなくなるまで




05.1.17