一寸先、闇
体が冷えて 涙で凍る
数え切れない傷と痛みを抱えて
張り裂ける
慣れた錠剤 飲み下して眠る
こんな夜は嫌いだ
目を閉じる 記憶ばかり
届いていた風も 触れていた空も
ホコリかぶって砂に埋もれた
引きずって歩く 回りながら
命綱は燃えて 知らないまま飛ぶ
石を敷き詰めただけの小さな部屋で
ぬくもりも知らないまま
血が赤いのは当たり前だ
生き続けて生きたままで
帰る場所もわからない
嘲り笑う声ばかり響いて
耳鳴りが止んでくれない
鼓動が障って災いになる
潰して蹴落とす 落下なんて単純明快
干からびた指で何度もなぞる
忘れたなんて お世辞にも言えない
笑い方なんて知らなくても生きる
排除された当然 往生際の悪い点と線




03.4.24